防災士ってどういう資格?取得するメリットあるのかな?
取得するとしても難易度はどうなんだろう?
勉強方法も知りたいなぁ。
この記事では、現役防災士の筆者が、防災士の資格に興味がある人に向けて、防災士の資格についての情報をまとめて紹介します。
防災士はどういう資格なのかを説明した後に、
- 防災士資格を取得するメリット
- 防災士資格の難易度・合格率
- 防災士資格を取得するための費用(かかった金額や助成金)
- 防災士になるための流れと絶対に必要なこと
- 防災士資格試験の勉強法
についてそれぞれ紹介していきます。
僕自身は防災士資格試験に満点合格し、2022年に正式に防災士になりました。
なので、これから防災士になりたいという人に最新の情報を伝えられると思います。
防災士とは?防災士資格を取得するメリット
防災士とは、防災に関する知識を持っている防災士資格を持っている人を指します。
防災士資格は、国家試験ではなく、民間試験のため、履歴書等には書いたとしてもあまり評価は得られませんが、自分自身を守るための知識を身につけることができます。
また、防災士資格は更新などはないので、一度取得すれば、生涯防災士となります。
日本では首都直下型地震や南海トラフ巨大地震の発生確率が高い上、近年は国内で地震が頻発しているので、防災士の近くの注目度が高まっています。
特に南海トラフ巨大地震は「30年以内の発生率が90%」と発表されており、お年寄りでない限り、南海トラフ巨大地震が発生する時には生きているでしょう。
他にも、富士山も近い内に噴火することも危惧されていますね。
防災の知識を身につけることができる
防災士の勉強をする中で
- 火災(火災のメカニズム、山火事や通電火災など火災の種類)
- 水害(台風、豪雨)
- 地震(地震の種類、発生のメカニズム)
- 噴火(過去の噴火)
- 津波(津波のスピードや避難方法)
などの災害についての詳細や、過去の災害事例を知ることができます。
また、災害が起こった時にすべきことや、災害に備えて日頃からしておくべき備蓄なども勉強します。
防災知識を知ることは、自分自身だけでなく、周りの人を守ることに繋がります。
知識があるのとないのとでは、万が一の時の行動に大きな差が出るでしょう。
もちろん、自分で防災の本を購入して勉強してもいいですが、目的があいまいなので身につきにくいです。
防災士を目指す場合は、試験に合格するという目標があり、試験に合格するために勉強するので、頭に残りやすいです。
地域の防災協会に所属する権利がもらえる
日本には地域ごとに防災協会があり、防災士資格を取得した人は所属する権利が与えられます。
所属することで、学校や地域の防災イベントに防災士として参加できるので、自分が住んでいる地域の一員として防災活動に関わることができます。
防災士資格の難易度・合格率
防災士の資格を取得する難易度は高くありません。
防災士資格試験の合格率は、毎回80%以上あり、一般的な資格試験と比べてもかなり高いです。
2020年のデータだと、合格率は87%です。
つまり、不合格する人の方が珍しいということになります。
普通に勉強すれば、誰でも試験では合格点を取れるでしょう。
ただし、合格率が高いからといって、勉強せずに合格することはできません。
防災士資格を取得するための費用
「防災士になるためにどれぐらいの費用がかかるんだろう?」という人のために、どのぐらいの金額か紹介します。
僕が実際に支払った金額と、自治体の助成金制度について解説するので参考にしてください。
防災士取得にかかった費用
取得する場所や状況によって、防災士の資格を取得するための費用は違ってきますが、僕の場合は以下の金額でした。
費用円費用 | 金額(僕の場合) |
---|---|
防災士養成研修講座の受講料 | 10,000円 |
防災士教本代 | 3,500円 |
防災士資格認定試験受験料 | 3,000円 |
防災士の登録費 | 5,000円 |
振込手数料 | 152円 |
切手代 | 84円 |
合計 | 21,736円 |
僕の場合は、防災士の資格を取得するために21,736円かかったことになります。
会場によってはZoomを使ったオンラインで講座を実施しているところもありますが、研修会場が自宅から遠ければ、電車代やガソリン代もその分かかります。
自治体による防災士資格取得費用の助成金について
「防災士資格の取得費用って意外とお金がかかるな」と思ったかもしれません。
ですが市町村によっては、防災士の資格を取得しようとしている人向けに助成金を出しているところも多いです。
僕が住んでいる市町村では、防災士資格試験に合格者には最大13,000円の助成金まで出しており、僕は満額を受け取ることができました。
したがって、実質僕が防災士の資格取得にかかった費用は「8,736円」となります。
手続きとしては「防災士の資格取得にかかった受講費用や教本代の領収書」と「合格証明書」などの証明書のコピーを添えて申請書を提出するだけでした。
書類を書いたり、コピーしたりする手間はかかりましたが、払ったお金の半分以上が助成金でまかなえました。
助成金の受給資格や金額は市町村によって全然違います。
市役所等に問い合わせたり、「自分の市町村名+防災士+助成金」等のキーワードを打ち込んで検索してみてください。
防災士になるための流れと絶対に必要な3つのこと
防災士になるための流れは以下のようになります。
場所によっては、STEP3とSTEP4の順序が逆になることもあります。
この中で、防災士になるためには以下の3つのことは必ず達成しなくてはいけません。
- 防災士養成研修講座を受講して研修履修証明を取得する
- 救急救命講習修了証を取得する
- 防災士資格取得試験に合格する
では、絶対にしないといけないことについて詳しく解説していきます。
防災士養成研修講座を受講して研修履修証明を取得する
防災士になるためには、必要な時間、定められた場所で防災に関することを学ぶ「防災士養成研修講座」を受ける必要があります。
所定の時間以上、出席することで、研修履修証明を取得することができます。
この研修履修証明は、防災士試験の受験資格となります。
僕の地域では朝10時〜16時までの講座が計8回が3ヶ月間にわたり実施されました。
救急救命講習修了証を取得する
防災士になるためには、防災士養成研修講座だけでなく、救急救命講習も受け、修了証を取得する必要があります。
救急救命講習の修了証は、試験などはなく、救急救命講習を受講するだけで取得することができます。
救命救急講習を受講する前に、ネットで「応急手当WEB講習」を全て受講し、受講証明書を印刷する必要がありました。
オンラインで動画を見て、最後に簡単な試験があります。
救急救命講習自体は3時間ほど。
1日で終わり、最後に普通救命講習修了証がもらえます。
救急救命講習の内容は、AEDの使い方を学び、実際に訓練したり、喉にものが詰まった人の助け方など実習形式の講習になります。
救命救急講習は、
- 全国の自治体
- 地域の消防署
- 日本赤十字社等の公的機関
などが実施しており、防災士養成研修講座内や自治体からの手紙で紹介されるので、自分で調べる必要はありませんでした。
ただし、救命救急講習は、頻繁にはやってないため、実施している日が限られます。
人口が多い市町村だと複数日あるかもしれませんが、僕が住んでいる市町村は防災士養成研修講座の期間中は1日だけの実施でした。
防災士資格取得試験に合格する
3つ目は、防災士資格取得試験に合格することです。
防災士資格取得試験は、防災士養成研修講座終了後、防災士の知識を問われる試験です。
試験は4択の選択問題が30問あり、8割(24問)以上正解すれば合格。
試験は防災士養成研修講座の最終日の最後のコマに行われます。
試験の回答が終われば、すぐに退場することができます。
1問1分かかったとしても30分で終わるので、試験終了時間まで残っている人は少ないです。
防災士資格試験の勉強法(過去問はない)
防災士試験の合格するための勉強方法を紹介します。
僕自身は防災士養成研修講座の前に一般的な知識しかありませんでしたが、本番の試験では満点合格することができました。
防災士試験は特にひっかけ問題などはなく、防災士教本の中から出題されるのでちゃんと勉強していれば困ることはありません。
勉強方法としては、防災士教本を読み、研修でもらう問題集を解くといった一般的な資格試験と同じにすればOKです。
防災士教本を読む
試験問題は防災士教本の中からしか出題されないため、防災士教本を一通り読むことが大切です。
ページ数が多いので、かなり時間はかかるので、できるだけ少しずつ読み進めるようにしましょう。
文字だけでは覚えにくいですが、過去の災害についてはYouTubeなどでニュース映像などを見ると記憶に残りやすいです。
研修でもらう問題集を解く
防災士養成研修講座の中で、宿題として防災士教本を元にした問題集が渡されます。
始めは教本で調べて回答してもいいですが、試験直前は自分の頭だけの知識で答え、答えられなかった問題については防災士教本で該当箇所を読み込むなど、しっかり復習しましょう。
防災士資格試験の難易度・費用・メリットまとめ
防災士試験に関する情報をまとめて紹介しました。
防災士資格を取ったからといって、給料が上がったりすることはありませんが、防災士資格を取る中で身につけた防災知識はいざという時のために役立つのは間違いありません。
人生で一度、防災に関してしっかり勉強するきっかけとしてえも防災士資格の取得はおすすめです。
お金もかかりますが、万が一の時のために防災に興味のある人はぜひ挑戦してみてください。