被災したときのために水も備蓄してた方がいいらしいけど、どれぐらい必要なのかな?
このような疑問にお答えします。
被災した時のために「非常食」を備蓄している人は多いですが、「水」を備蓄している人は意外と少ないです。
ただ、水をしっかり備蓄していないと被災時に困ります。
なぜなら、巨大地震が起きた場合、ライフラインである水道が止まる可能性が高いからです。
平成に起こった巨大地震である「阪神淡路大震災」と「東日本大震災」のどちらでも水道が止まりました。
そして、それぞれ復旧されるまで、
- 阪神淡路大震災では37日間
- 東日本大震災では復旧まで24日間
という時間がかかっています。
もちろん、この間にスーパーなども再開して水を購入することはできるようになっていましたが、被災直後は自分が備蓄している水しかありません。
また、水道が止まるのは大地震の時だけではありません。
洪水や台風の影響で水道が止まることもありますし、2020年の12月には千葉県で水道管の問題により、5日間断水状態が続きました。
断水が起こる原因はいくつかあり、個人ではどうしようも無いときもあります。
水が無いと、歯磨きや水を使った調理ができなくなるよ。
それだけじゃなく、水を必要な量飲まないと、体の機能が正常に動かなくなり、最悪の場合、命に直結してくる。
逆に人間は水分さえ十分にあれば、食事なしでも1カ月ほど生きられると言われています。
それぐらい人間にとって水は大切で、普段から水を備蓄しておくことはとても重要。
さらに備蓄する水は、スーパーなどで売られているミネラルウォーターではなく、長期保存ができる「保存水」がおすすめです。
記事内では
- 水を備蓄すべき理由
- 備蓄すべき水の量の目安
- 水の保存方法(収納・保管場所)
- 水と一緒に備蓄しておきたいもの
を紹介します。
この記事を読めば、水を備蓄しておく重要性が分かり、どれぐらい水を備蓄すべきが分かります。
記事を参考にして、被災時のために必要な量の水を準備しておきましょう。
水を備蓄すべき理由
水の備蓄が必要な理由を知らないと「水を備蓄しよう」とならないので、始めに水の備蓄の重要性を説明します。
記事内では以下の3つの理由を紹介します。
水が必要なことができない
水を備蓄すべき1つ目の理由は、水がないと、水が必要なことができないことです。
例えば以下のようなことです。
- 水を使った調理
- はみがき
- 洗顔
- 髪や体を洗う
- トイレを流す
特に、水がある場合と無い場合とでは調理の幅が違ってきます。
水があれば、スープなどが作れるほか、水だけで作れるアルファ米やフリーズドライ食品などの調理が可能になります。
水が無いと健康状態が悪化して命に関わる
水を備蓄しておくべき2つ目の理由は、人間にとって水が生命維持に1番大切だからです。
人間の体は60%が水分であり、摂取した水分によって臓器や体温調節を行っています。
体のほとんどが水分のため、人間は水を必要量取らないと、脱水状態になり、体に悪影響が出るよ。
具体的には、人間は水分を2%失うと、運動能力が落ち、さらに落ちてくると、イライラしやすくなったり、食欲がなくなったりと心身に影響が出てきます。
そして、人間は20%の水分を失うと命に直結します。
水を摂取しないといけない理由はそれだけではありません。
水を取らないと体中の血液がドロドロ状態になるため、基礎疾患を持っている人や年齢が高い人は、心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが高くなります。
したがって、どんな時でも水を必要量取らないといけないのです。
緊急時でも水分を必ず取らないと、災害に巻き込まれなくても危険な状態になる可能性が出てきてしまうよ。
給水車が来たときの入れ物に困る
3つ目の理由は、給水車が来た時に水を受け取ることができるからです。
日本では災害の発生後、約4日後に給水車が手配されるようになっています。
ただし、給水車が自分がいる場所に来て、水を受け取る時、持ち帰るための容器が必要です。
容器がないと、給水車が来ても水がもらうことができません。
空のペットボトルが数本あれば、水を受け取ることができますが非効率的です。
大量の水を貯めることができるウォータータンクなどを用意しておくことをおすすめします。
ダイソーでも「10Lの容量の水タンク」と「20Lの容量の水タンク」を販売しています。
備蓄すべき一人当たり水の量の目安
保存水を備蓄しておくべき重要さが分かったところで、「じゃあどれぐらい備蓄しておけばいいか」が気になりますよね。
「1日に必要な水の量」と「水が必要な期間」を考えて、備蓄すべき一人当たり水の量を計算します。
1日に必要な1人当たり水の量
年齢や体格にもよりますが、「成人の人1人が1日に必要な水分は2.5〜3リットル」とされています。
この2.5〜3リットルというのは、標準体重の人の場合で、体が大きな人は普通の人より水分が必要になります。
「普段の生活で1日に2.5リットルも水分取ってないよ」と思われるからもしれませんが、これは水分を飲む量だけでなく、食事から取れる水分量も含んだ量だからです。
また、上記で「子供の方が水分が占める割合が多い」と紹介しましたが、同様に子供ほど必要な水分が多くなります。
一般的には以下のような割合で計算できます。
- 乳児:150ml / kg
- 幼児:100ml / kg
- 学童(小学生):80ml / kg
- 成人:50ml / kg
成人の場合、60kgの人だと1日に3リットルになりますね。
小さいお子さんが家族にいる場合は、子供の体重を考えて備蓄するようにしましょう。
1週間ほどの量を備蓄しよう
上記で「日本では災害の発生後、約4日後に給水車が手配される」と紹介しましたが、
- 政府が機能していない状況
- 自分の避難場所までの道路が通行できない状態
などが原因で、想定以上に遅れる可能性もあります。
なので、余裕を持って「1週間ほど水が手に入らない状況」を想定して備蓄しておけば大丈夫。
したがって、成人の場合は1日2.5〜3リットルが1週間ほど必要として、1人あたり約20リットルほどを備蓄しておきましょう。
家族がいる人は、人数分を備蓄しておくように!
備蓄する水は軟水がおすすめ
水はミネラル(カルシウムやマグネシウム)をどれぐらい含むかによって軟水と硬水に分けられます。
日本で取れた水は軟水のものが多いですが、ヨーロッパのミネラルウォーターは硬水であることが多いです。
- 軟水:硬度100mg/L未満の水
- 硬水:硬度100mg/L以上の水
日本人は水道から出る水が軟水のため、軟水に慣れています。
そのため、日本人の中には硬水を飲むと、お腹を壊してしまう人がいます。
また、本来硬水を飲んでも大丈夫な人でも、疲れやストレスが貯まっている状態で硬水を飲むと、お腹が壊れてしまうことがあります。
したがって、備蓄する水はできるだけ軟水のものにすることをおすすめします。
備蓄する水の収納方法・保管場所
水は主に2つの方法を組み合わせて備蓄することが理想です。
- ローリングストック法を使って、ミネラルウォーターを定期的に購入する
- 数年ごとに保存水を購入する
どちらも収納方法は同じですが、ミネラルウォーターと保存水では保管場所の違いがあります。
収納方法
水をダンボールで購入した場合は、そのままで収納すればOKです。
バラ売りで買った場合などは、ペットボトルを裸で置いておくと簡単に倒れてしまいます。
その場合は、ケースに入れて収納するなどして、転倒して破損がしないようにしておきましょう。
気をつけたいのが、収納方法です。
水は重たいので、必ず
- 床・地面
- 棚の1番下の段
に置くなど、できるだけ地面に近い場所に収納してください。
水が入ったケースを重ねて収納したり、高いところに保管しておくことは絶対にやめましょう。
地震発生時に落ちる危険性があるからです。
人に当たると危ないですし、落ちた衝撃により、容器が破損して、水が流れ出してしまう可能性もあります。
保管場所
保管場所はローリングストック法で短期的に消費するミネラルウォーターは、定期的に使うことが基本なので、手に取りやすい場所に保管しましょう。
一方、保存水は被災時や賞味期限が近くなっている時以外は飲まないので、押し入れの奥などに保管しましょう。
ただし、保管する時に賞味期限が過ぎないようにしっかりと日付を管理するようにしましょう。
水と一緒備蓄しておきたい2つのもの
備蓄する水と一緒にぜひ備蓄してほしいものが2つあります。
それは「プロテイン」と「スポーツドリンクの粉末」です。
プロテイン
まず1つ目はプロテインです。
プロテインというと、筋トレをする人が飲むものだと思われがちですが、非常時には効率よくタンパク質を摂取できる食品として活躍します。
常温で長期間保存することもできますし、水に溶かすだけで簡単にタンパク質を摂取できるのでおすすめです。
スポーツドリンクの粉末
水と一緒に備蓄しておきたい2つ目のものが、ポカリやアクエリアスなどのスポーツドリンクのパウダーです。
ミネラルウォーターに入れて、溶かすだけで、スポーツドリンクの代わりになります。
スポーツドリンクは、普通の水と違ってエネルギーになるものやミネラルがたくさん含まれており、飲むだけで必要なミネラルなどを簡単に摂取できます。
体力が弱っている人でも、飲むだけでいい!
特にポカリスエットは「飲む点滴」というコンセプトで開発され、人間の体液に含まれる7種類を含んでいます。
市販されているペットボトルのものだと賞味期限もありますし、スペースも取りますが、粉末のものは1リットルごとの小袋に分かれているので、スペースも取りませんし、軽いです。
ぜひ水と一緒に備蓄しておいてください。
備蓄すべき水の量の目安や収納方法・保管場所まとめ
水の備蓄が食料の備蓄より大事ということは分かっていただけたでしょうか?
水はどれだけあっても困らないので、普段からしっかりと必要量を備蓄しておいてください。
また、水と一緒にプロテインやポカリのパウダーも備蓄しておきましょう。